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ヨーロッパ

 


 

Austria(オーストリア) Superar

SUPERARは、世界的に有名なウィーン・コンツェルト・ハウス、ウィーン少年合唱団とカリタス・ウィーンのパートナーシップから誕生した、国内外の青少年に高い質のオーケストラとコーラス教育を無償で提供するプログラムです。2009年に設立されて以来、ヨーロッパ7か国の拠点で3,000人ほどの青少年が参加しており、ボスニア、ルーマニア、スロバキア、スイス、リヒテンシュタイン等の子どもたちが国境を越えて音楽を奏でています。SUPERARはオーストリアに限らずシステマ・ヨーロッパの一員としても活動しています。

Belgium(ベルギー) Remua Asbl

エル・システマ・ベルギーは2009年にReMuA(Réseau de Musiciens-intervenants in Ateliers)の責任者サラ・ゴールドファーブ氏により設立されました。設立以来、すべての人、特に子どもたちにとって音楽学習が様々なスキルや人格の発達に不可欠なツールであるという理念のもと、20以上の音楽教育プロジェクトが行われています。演奏活動としては、ブリュッセルとリエージュでオーケストラと合唱団の活動があり、1,000人以上の子どもが参加しています。また、リズムや音色、ソルフェージュといった音楽学習の基礎となるワークショップも頻繁に開催されています。2021年11月には、ブリュッセルの青年オーケストラがストラヴィンスキーの楽曲を中心としたコンサートを行い、大成功をおさめたようです。

 

Croatia(クロアチア) El Sistema Croatia

カルメン・ヒティ氏、リカルド・ルケ氏、メルカス・ダヴォル氏とイヴァナ・コツェリ氏、この4人の熱い想いによりエル・システマ・クロアチアは2011年12月19日に設立されました。2011年の上半期にボリヴィア・ボットメ氏と打ち合わせをし、その翌年にはアブレウ氏とも会い、猛スピードでザブレブ、レケニク、イストリアの3都市にオーケストラを形成し、130人の生徒と18人の教師で始まりました。クロアチアの子どもたちや若者に音楽を通して人間性、社会性、感情及び精神的な成長、知的発達を促進することをミッションとしており、10年後にはクロアチアとその周辺国で、エル・システマに基づいて設立された20ほどのオーケストラに約2,000人の子どもたちが参加することを目標としています。

England(イングランド) Sistema England

システマ・イングランドはジュリアン・ロイド・ウェバー氏により設立された慈善団体で、ニュークレオ・プロジェクト、エル・システマ・ノリッジ、イン・ハーモニーと3つのプロジェクトを立ち上げ活動しています。イン・ハーモニーは2008年に始まって以来、現在は7つの都市(ロンドン、リバプール、リーズ、ニューカッスル、ノッティンガム、テルフォードとレキン)に活動拠点を置き、約4,100人の生徒が参加しています。プロジェクトは、青少年オーケストラはもちろん、音楽教師にエル・システマの効果的な実践方法を教えるワークショップやエル・システマの教師や音楽家が演奏を行い、子ども達にプロの音楽を聴かせる機会などを設けています。また、カナダやEUとの文化交流のため、子ども達はイギリス国外で演奏旅行をすることもあります。2015年には、イタリア、スウェーデン、カナダなどで音楽交流を行いました。

Finland(フィンランド) El Sistema Finland

ヴァンター市で2009年に始まった「郊外に広がる全世界」プロジェクト。こちらはエル・システマ・フィンランドのテンポ・オーケストラが始めた、ヘルシンキ郊外の移民と現地のフィンランド人の良好な関係構築のために設立されたプロジェクトです。始まりのきっかけはテンポ・オーケストラが過去に数回訪れたシステマ・ポルトガルのジェラサオ・オーケストラです。ジェラサオ・オーケストラの取り組みに感銘を受けたテンポ・オーケストラは、ベネズエラのマエストロ2人(ホゼ・フェリペ・ムニョス氏とヘスース・シラ・マルティネス氏)の指導のもと、このプロジェクトを設立しました。現在、ヘルシンキとヴァンターにある5つの学校の生徒130人が参加しており、約半分はバングラデッシュ、中国、日本、エストニア、インド、イラク、コソボ、パキスタン、ロシア、スペイン、トルコ、ベトナム、タイ等と全世界からの移民の子どもたちが参加しています。つながりを持つことを大事にしています。

France(フランス)

El Sitema France

エル・システマ・フランスは、ジャン・ガブリエル・マエオ氏、カトリーヌ・マエオ氏、パスカル・マシェレ氏とベネズエラのマエストロ・アルシデス・マエストレ・ブランコ氏によって2010年に設立されました。オーケストラへの一員になる意味、音楽理論、リズム、楽器の指導、または自己実現、協調性、自己管理について音楽を通して教育しています。現時点ではパリ、ナント、アルザス、ヴァンデ、カンヌ、ニースで活動しており、プログラムには精神面、感情面、行動面で困難を抱える子どもたち、もしくは複雑な家庭環境に置かれている子どもたちが50人ほど参加しています。今後は、ベネズエラの教育モデルをフランスで再現するため、マルセイユ、ビュック、オルレアン、エクス・レ・バン、モンベリアール、リヴィエール・サル・デゥ・マルティニカとニームに音楽センターを構え、全国をつなぐネットワーク構築を目指しています。

Greenland(グリーンランド) El Sistema Greenland

ベネズエラのエル・システマのグアティレ校で音楽を学んでいたバイオリン奏者兼指揮者のロン・ダヴィス・アルバレズ氏が2011年にエル・システマ・グリーンランドを立ち上げました。ウマナック町にある孤児院の13人の子どもたちから始まり、他人と共存することが困難だった子どもを主に対象として活動している音楽プログラムです。現在は、4~18才の青少年100人が参加しており、2つ目のプログラムを首都ニュークで開始しました。主なミッションとしては複雑な家庭環境に置かれている子ども、もしくはコミュニケーション障害や何かしらの理由で社会に出ることが困難な子どもたちに居場所を提供しています。

 

Ireland(アイルランド) Irish Chamber Orchestra

2008年にアイリッシュ室内管弦楽団がリメリック市の再生と活性化プログラムとして設立したのがアイルランドでのプロジェクトです。このプロジェクトには、インクルージョンや平等性、様々な社会の課題を改善するという意義があります。そうした意義を、子どもたちとその保護者、スタッフ及び社会に向けて伝えることがミッションです。毎週、ボイスレッスンや作曲のワークショップを開催したり、リメリック市に住む300人の子どもたちにバイオリンレッスンの学費を付与したりしています。現在は3つの教育機関(Le Cheile N.S.とSaint Mary's National School、Coláiste Nano Nagle Secondary School )を通し運営しています。

Italy(イタリア) El Sistema Italy

「音楽は、あらゆる違いを克服することができる」。これは2010年12月にイタリアで設立されたイタリアの青少年オーケストラ・システムのモットーです。ベネズエラの「エル・システマ」に影響を受けて設立されたこのプログラムは、音楽の教育及び社会的価値をアンサンブル演奏を通して発見することを目的としています。現在は8,500人の子どもたちがこのソーシャルプロジェクトに14地域(アブルッツォ、バジリカータ、カンパニア、エミリア・ロマーニャ、フリウリ・ベネチア・ジュリア、ラツィオ、リグリア、ロンバルディア、マルケ、ピアモンテ、プリヤ、シチリア、ヴェネトとトスカーナ)に広がる45箇所のセンターから参加しています。プログラムは主に4〜16歳の低所得層の子どもたち、障害(ダウン症候群、自閉症、知的発達障害等)を持っている子どもたちを対象としています。

 

Netherlands(オランダ) El Sistema Nederland

エル・システマ・オランダは、全国の子どもたちへ無償で参加可能な放課後プログラムを提供しています。このプログラムを通し、子どもたちには幼少期の頃から自分の可能性と将来に対して前向きになり、将来の目標に向かって突き進むようになってほしいという願いがあります。また、子どもだけでなく大人もこの活動に参加できるようになっており、幼い子どもから高齢者まで幅広い年代の人々が音楽を通じて交流できる場になっています。

 

Norway(ノルウェー) Tøyen Orkester

2010年、オスロ音楽学校の教師シセル・ラーセン氏がエル・システマ・ベネズエラのマエストロ、フランク・ディポロ氏に出会ったことがTøyen学校の始まりでした。オスロ中心部の近くにあるTøyen学校では、350人の子どもたちが音楽を学ぶため参加しており、参加者の97%は社会的マイノリティや移民の子どもたちです。Tøyen学校では、音楽以外の科目を教える教師からの協力を得て、コミュニケーション、言語力、一般的な教育と併せて、トランペット、バイオリン、フルート、パーカッション、ブラス、クラリネットとコーラスの指導をしています。教師の多くはラーセン氏と同じオスロ音楽学校の教師です。

 

Portugal(ポルトガル) Orquestra Geração

2007年にわずか15人の子どもたちで始まったジェラサオ・プロジェクトは、教育省の支援を受け、低所得層の子どもたちとその家族を対象とする音楽プロジェクトです。リスボンとコインブラ含め13箇所に音楽教育センターを設置し、現在は80人の指導者が約1,000人の子どもたちに音楽を教えています。このプログラムを通して形成されたオルケストラ・ジェラサオは欧州連合のトップ50の社会プロジェクトにランクインしています。ジェラサオの青少年オーケストラには14〜20歳の青年が160人、子どもオーケストラにはの8〜14歳の子どもが248人、「音楽への紹介」プログラムには2〜6歳の子ども400人が参加しています。リスボンとコインブラ市内の22校がジェラサオ・プロジェクトの支持を受けています。

Passeurs d'arts – Tutti

フランスではもう一つ「エル・システマ」に影響を受け設立されたプログラムがあります。ベネズレラの指揮者ラウル・ルボ氏とジャン・クロード・デゥカロン氏が設立したパシュール・ダル(Passeurs d'Arts)は、現在600以上の市区町村で取り入れられている音楽教育モデルです。特にこのモデルを導入したことによって、社会的変化が見られるのがセルジー市です。セルジー市では1,300人以上の子どもたちがこのプログラムに参加しています。他にも障害者向けの音楽プログラム、刑務所でのオーケストラ・プログラム、学校での音楽プログラム、ホワイト・ハンド合唱団やスラム街でのオーケストラプログラム等、このモデルを取り入れたプログラムは多々存在します。コロナ禍でも活動できる方法を模索し、今もたくさんの子どもたちに音楽活動を届けています。

Scotland(スコットランド) Sistema Scotland

2006年に設立された慈善団体システマ・スコットランドの代表的プログラムBIG NOISEは、スコットランド全国にオーケストラセンターを立ち上げることを目指しているプロジェクトです。1箇所目のオーケストラセンターは2008年にスターリング市ラップロックに立ち上がり、2013年に2箇所目のグラスゴー市ゴヴァンヒル、2015年に3箇所目のアバディーン市トリー、さらには2017年に4箇所目のダンディー市ダグラスにセンターが立ち上がりました。この4箇所のオーケストラセンターを通して、約2,800人の子どもたちを支援しています。スコットランド政府が実施した参加者の保護者を対象とした調査では、100%の保護者は子どもがプログラムへの参加によって自尊心が高まった、93%の子どもが以前よりハッピーになった、79%が子どもの集中力が増した、更に43%が子どもが反抗する頻度が減ったと回答しており、子どもたちの成長へ貢献している成果を残しています。

Serbia(セルビア) Music Art Project

エル・システマ・セルビアは「エル・システマ」の方法論を取り入れたマスタークラスから始まりました。教育家ミロジェビッチ・シミッチ氏のサポートを得て、ジュルジャ・パパゾグル氏が2010年にマスタークラス「Music Art Project」を開催して以来、現在はベルグラード、オブレノバツ、チュプリヤ、ヤゴディナとノヴィ・サドでニュークレオ(音楽教育センター)を立ち上げ、その地域特有の課題や参加者のニーズに合わせたプログラムを実施しています。中でも特徴的なのが「ピノキオのオーケストラ参加」という名前の文化交流プログラムです。これは、有名な物語の主人公ピノキオが、たくさんの場所・人に出会い、彼らの違いを知りながら一緒に歩んでいくように、子どもたちがオーケストラを通して好奇心を育み、仲間の個性を知り、そして音楽がその個性をつなげていくという経験をしてほしいという思いからできたプログラムです。このプログラムを通して子どもたちはヨーロッパ各国の子どもたちと一緒に音楽交流を楽しんでいます。

 

Slovakia(スロバキア) Virtuoso

スロバキアの音楽プロジェクトVirtuosoは、子どもに限らず参加者の家族、学校、コミュニティと地方自治体を対象とし、社会全体の人々の信頼関係とチームワークを音楽を通して促進する活動です。特に困難な立場にある子どもたちを経済的に支援し、参加している150人以上の子どもたちに、まずは音楽を発見し、好きになってもらうことを目標として8人の音楽教師が尽力しています。

 

Spain(スペイン) Acción por la Música

Acción Social por la Músicaは設立からの年数は浅いですが、2013年の設立時から今まで1,000人以上の子どもたちが参加しています。参加している子どもたちはルヴェンタスオーケストラとInstituto Musical Arcos青年オーケストラともコラボしています。恵まれない家庭環境に置かれている子どもたち、社会的リスクに晒されている子どもたち、自尊心や集中力の低下、不登校、コミュニケーション問題等の課題を抱えている子どもたちの幼少期を音楽でポジティブな方向へ推進することがこのプログラム最大のミッションです。このプログラムの音楽及び運営は、姉妹財団であるベネズエラのシモン・ボリバル音楽財団から支持を受けています。

 

Sweden(スウェーデン) El Sistema Sweden

エル・システマ・スウェーデンのはじまりは、2009年にエル・システマ出身の世界的指揮者グスタボ・ドゥダメル氏がスウェーデンのエーテボリ交響楽団とハンマルクレンで訪問演奏を行ったことにあります。音楽を通し健全な社会変革を推進する教育モデルを10,000人以上の子どもたちへ提供しており、現在ではエル・システマを取り入れた101の学校や幼稚園をストックホルム、ウメオ、セーデルテリエ、マルメ、エーテボリやエシルステゥーナに構えています。これらの施設はエル・システマ財団とエル・システマ・プロジェクト・スウェーデンの支援を得て運営しています。

 

Turkey(トルコ) Barış İçin Müzik

建築家メフメト・セリム・バーキー氏によって2005年に設立されたMusic for Peace Foundationは多くの子どもたちに無償で音楽教育を提供し、音楽を通して社会平和を促進することをミッションとしています。イスタンブール市エディルネカピの約5,000人の経済的、もしくは社会的に困難な立場にある子どもたちに音楽教育を受ける機会を与えています。2009年にはドイツ銀行が実施するアーバン・エイジ賞を受賞し、2014年6月には本場ベネズエラとのフレンドシップ条約を結び、正式に「エル・システマ」の理念に基づいた組織として認定されました。現在、こちらのプロジェクトにはオーケストラ2団、合唱団、金管楽器のバンド、アコーディオン・オーケストラがイスタンブールの3箇所にあるニュークレ

 

Wales(ウェールズ) Sistema Cymru - Codi'r To

2つの学校、カーナーボン市のYsgol・Maesinclaとバンゴア市のYsgol・Glanceginで始まったCODI'RTOは「エル・システマ」の理念を持って立ち上げられたシステマ・キムルの北ウェールズの地域再生プロジェクトです。3人の音楽教師がYsgol・Glanceginの4年生とYsgol・Maesinclaの5年生に金管楽器と打楽器の指導をしています。また、地域のコミュニティで頻繁にコンサートを行い、子どもたちが大勢の前で演奏を披露することで家族や学校周辺地域とのつながりを持つことを大事にしています。

TUTTI
Big Noise from Sistema Scotland
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