3月11日。未曾有の大地震と大津波、そして原発事故から13年。命を落とされた方々のご冥福をお祈りし、大切な人を亡くした悲しみを抱える人に、思いを寄せたいと思います。
ところで、先日放映されたTBS「news23」による相馬子どもオーケストラ&コーラスの特集を見て、再度思いだしたのが、やはり福島の原発事故の罪深さ。外遊びをしない、水道水は飲まない、土や草木に触れてはいけない。このような異常な環境の中で、子どもたち(特に女子)が、自分は将来結婚できるのか、子どもを産めるかを自問し、県外に出れば、あらゆる差別にさらされる。こんなことが許されて良いのか、というのが正直な思いで、怒りを感じました。
相馬市の場合、幸い子どもたちの被曝管理に関する行政の施策が徹底していたこともあり、偏見や差別は減っていったと思います。しかし、心の中の不安は拭い去れない状況は、常にあったかと思います。
子どもオーケストラやコーラスは、そうした子どもたちや大人たちの不安に寄り添い、音楽を通して未来に向かっていく場所でありたいと考えてきました。
もちろん、東日本大震災以来、度重なる洪水や地震、そしてコロナ禍と、災難に見舞われてきた相馬の場合、そんなにポジティブな話ばかりではありません。
エル・システマは常に未完成で、新しい課題に柔軟に取り組んでいくことを、ベネズエラで49年前に始まって以来、その最大の強みにしてきました。
「そこにあるけど、まだ形はない。」
創設者アブレウ博士がエル・システマとは何か?と聞かれた時の答えです。エル・システマジャパンも、その思いから、常に進行形でものごとを考えています。被災地から始まり、国内各地の様々な社会課題に取り組む中で、その思いは日増しに強くなっています。
私たちの取り組みを是非とも応援頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
Comments