エル・システマ作曲教室を2月24日(土)に沖縄・読谷村文化センターで開催しました。4歳から12歳まで 12人が参加してくれました。
講師は、ロンドンからオンラインで、作曲教室開始以来、ずっと監修をしてくださっている、作曲家・藤倉大さん、そして、相馬や東京に続き、今回で3回目となる三味線奏者の本條秀慈郎さん。
まずは、代表の菊川から、作曲教室の約束についてご説明いたしました。
子どもたちへは「五線紙に音を書く」こと、「途中で飽きたら無理に続けなくてもいい」こと、そして、保護者の方へは、「お子さんたちへはこうしたら、というアドバイスをしないで見守っていただきたい」こと。
本條さんが、「この中で、三線をやっている人」というと、2、3人が手を上げました。
三味線は室町時代の後半、沖縄から堺にわたってやってきたものだという三味線と三線のつながりについて紹介し、そして、大きな違いとして、三味線には「さわり」という響きを加えるパーツがあること、バチがあることを示したりしました。また、一の糸は「ドン」、二の糸は「トン」、三の糸は「テン」、と読むことや三味線は三オクターブ出ることを教えてくださいました。
次に三味線の特殊奏法について説明くださいました。
スクイ(すくうようにばちではじくこと)、
ハジキ(左手ではじくこと)、
スリバチ(バチをこするようにはじくこと)
など、実演を交えた説明を子どもたちはしっかりと聞いていました。
藤倉さんの方から、「サルの鳴き声のようなのあったよね。」とリクエストがあると「それは、アテハジキといいます。」と説明して、バチを弦にそわせて聞かせてくださったりもしました。
開始から30分、「それでは、書いてみましょう!文字で書いてもいいよ、図形でもいいですよ。」と本條さんが促すと、子どもたちは、早速、目の前の五線紙に書き始めました。
「先生、響かせたいときにはどうしたらいいですか?」
など、子どもたちは積極的に質問をして「そんな場合は、この記号を書いてみて」など、本條さんが答えていきます。
実際に本條さんに書きかけの音符を見せて、どんな音が出るのか確認したりしている子どももいます。
早速、書きあがった子が本條さんに演奏してもらうことに。本條さんに自分の作品を弾いてもらっている間、嬉しそうに眺めています。本條さんが演奏後「どうだった?」と感想を聞くと「いいねぇ」とのこと。「作曲家に褒められてうれしいです」と本條さんが笑いながらおっしゃいます。
今回は、早く書きあげた子どもたちが多くいました。2作目3作目4作目!に取り掛かる子もいます。それを見て、藤倉さんから「モーツァルトもびっくり」などの言葉も出ていました。また、子どもたちに「タイトルは?」と聞くと、「タイトルはない」と何人かが言いました。「音楽にタイトルはいるのか、という深い問いですね。」と藤倉さん。
時には、本條さんが、楽譜を三味線で演奏しながら、義太夫のように「さぁしいすうせえそお~」と歌ったりもします。楽譜には、「ジャズっぽく」などたくさんの書き込みをする子どもや早速習ったさまざまな特殊奏法を書き込む子もいて、本條さんがその楽譜を初見で次々とすばらしい音で奏でていきます。
曲の聞き方も自由です。本條さんのすぐそばで聞く子もいれば、少し恥ずかしかったのか、机の下に体操座りをしながら聞いている子も。みんながリラックスしている様子がうかがえます。
子どもたちに演奏をしてもらった感想を聞いてみました。
「楽しい発見がいっぱいあった」「ピアノと違って面白かった」
「歌を作ってもらってうれしかった」「記号を教えてくれたことが楽しかった」
「また書いてみたい」
アンケートや楽譜に三味線の絵を描いていれた子もいました。
藤倉さんは、
「今日は多作な人が多くて、上手な人も多かったから僕も頑張らないとな、と思いました。」と感想を話してくれました。
本條さんは、「毎回、作曲教室はやるたびに感じが違うのが面白いです。今日のことをこんなこともあったなと覚えてくれるといいな、と思います。」と話してくれました。
最後に、本條さんは、三味線を解体するところを見せてくれました。子どもたちは、歓声を上げながらパーツに分かれた三味線に興味津々でした。
監修・講師の作曲家・藤倉大さん、三味線奏者の本條秀慈郎さん、ユニークで素晴らしい教室をありがとうございました。ご参加くださった子ども達、見守って下さった保護者の皆さんにも心から感謝しています。
今回の沖縄での開催にあたり、多大な協力と調整に貢献頂いた共催のCoArの落合千華さん、ボランティアで関わってくださった皆さま、また、協賛いただきました株式会社ミオアンドカンパニーさん、株式会社うむさんラボさんに心より感謝申し上げます。
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ユニークなプロジェクト「エル・システマ作曲教室」へのご支援もお待ちしています。
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