10月14日(土) 群馬県中之条町の中之条ツインホールで、エル・システマ作曲教室が行われました。今回は、3歳から11歳までの7人の子どもたちが参加してくれました。
まず初めに、代表の菊川から作曲教室で守ってほしいことをお伝えしました。一つは作品の良しあしを判断しないこと、もう一つは、作曲することを一切強制しないこと。「気が乗らなくなったら、部屋を出て遊んできてもいいですよ」とも。
今回の講師は、作曲教室の開始以来、監修をしてくださっている作曲家・藤倉大さん(ロンドンのご自宅からオンライン参加)と、群馬県高崎市出身で笙奏者の東野珠実さん。東野さんと藤倉さんは交流が深く、東野さんも、過去2回、作曲教室の講師を務めてくれています。そのご縁から東野さんが参加する2023年度の中之条ビエンナーレの関連事業の「中之条ビエンナーレ町民アートプロジェクト」として、今回の作曲教室を実現することができたのでした
まずは、東野さんが笙の音色を聞かせてくれました。1000年前の古典の曲を披露してくださり、笙という楽器の構造について教えてくれたほか、笙で出せる音をホワイトボードで解説してくれました。
笙は17本の管のうち、15本に音が配されているが、現代音楽用に特別に2音を加えていること、古典の11種類ある和音のうち、代表的なものは8つあること、等々。また、表現方法として、音を伸ばす際の記号や強弱の記号もボードに書き込んでくれました。
スクリーンに映った大さんが「低い音はどの音が出せますか?」「スピードはどうですか?」など、東野さんへの質問をすると、「深呼吸するようなゆっくりなスピードが得意ですが、わざと早く出すこともできます。」など、東野さんが答えながら、子どもたちに教えてくれます。
また東野さんは、ご自身が小学校の時に合唱部に入ったことや小学校中学校で学級歌を作曲したこと、また、大学生になって日本で一番古い楽器を習ってみたいと思って、笙を始めたことなどを話してくださいました。
「ではみなさん、好きなように書いてください。東野先生に伝わればいいし、先生に説明してもいいです。」と大さんが話して、いよいよ作曲タイムの始まりです。
子どもたちは、真剣、に譜面に向かっています。
「この音は笙では出ないので、一オクターブ下にしてもいいかな?」など、子どもと東野さんが相談しながら、早速、1作目、2作目と完成した楽譜が演奏されていきました!
楽譜には、東野さんへの音の強弱の指示が書き込まれてあったり、表裏にわたって書き込んであったりする大作もありました!
自分の楽譜を演奏してもらうと、子どもたちは「すごい!」「上手!」と感動を東野さん伝えたり、嬉しそうにはにかんだり、と様々な反応を見せていました。 3歳のお子さんは、レッカー車をイメージして楽譜に絵を描き、リズムをお母さんに伝えて、お母さんがそれを写譜。演奏する際には、一緒に手をたたいて、コラボレーションができた場面もありました。
東野さんはエル・システマ作曲教室だけでなく、これまでもたくさんのワークショップを行ってきたご経験から、本当に素敵な時間を子どもたちにもたらしてくださいました。 最後は、笙の曲で、藤倉さんが作曲した曲を演奏してくださいました。
藤倉さん、東野さんがそれぞれ感想を聞かせてくださいました。
藤倉さん「来た人全員が楽譜を書いてくれたのは、珍しい!大作も多くて素晴らしい!僕もそんな風に書けるようになりたいです。」
東野さん「皆さんと一緒に作品を生み出していることがすごくうれしかったです。こうした経験の場づくりを大人の方にもこれから作っていただけたらと思います。」
子どもたちの感想 「笙のような音が好きだったので自分の作った楽譜を演奏してもらえてうれしかったです。」(小学生) 「楽譜を書くのが楽しかったので、来年あったらまた来たいです。」(小学生)
保護者の方の感想 「娘が初めて作曲した曲を東野先生に演奏していただけたことはとても貴重な機会でした。」
講師の藤倉大さん、東野珠実さん、そして、参加者の皆さん、保護者の皆さんありがとうございました。
また、開催のためにご尽力下さった箱田さんを始めとする中之条ビエンナーレ実行委員会の皆さん、後援して頂いた中之条町、中之条町教育委員会にも心より感謝申し上げます。 _______________________________________________________________________
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