近年、聴者の文化である音楽をろう者たちに共有しようとする動きが増えていますが、このサロンでは、聴覚をベースにした音楽ではなく、視覚とろう者の身体、文化と日本手話をベースにしたオンガク(※)の探求を目指します。
( ※ ろうコミュニティから生まれる音楽のようなもの。当てはまる日本語がないため、仮として「オンガク」としている。)
ろう者にはろう文化という、聴文化とは異なった文化があります。聞こえないという身体の視点ではなく、ろう者自体から生み出される日常的な営みからの世界観や思考が生成する文化です。ろう者は顔の動きや手、身体も含む手話を普段から視覚言語として使って生きており、聴者が使う音声言語から生まれる文化とは質が異なるものです。
この「オンガク」の探求は、2016年に全国で劇場上映された、ろう者の世界に音楽はあるのかを問うアート・ドキュメンタリー映画『LISTEN リッスン』から始まりました。
その後、2020~21年に(一社)エル・システマジャパンと東京芸術劇場が共同主催事業として実施した「“目で生きる人”のオンガクワークショップ」、そして東京芸術劇場主催の「第2回社会共生セミナー:ろう者の“オンガク”〜もし世界中の人がろう者だったら、どんな形のオンガクが生まれていた?」 や、ボンクリ・フェスの「音のない“オンガク”の部屋」 などが生まれていきました。
昨年度はろう者有識者が集い、ろうコミュニティから生まれるろう者のオンガクについて議論しながらリサーチしてきましたが、今年度はよりさまざまな人たちとともに「オンガク」とは何か、議論していきたいと考えています。
今回1年間の議論テーマは、「ろう者のリズム」です。
リズムは心臓の鼓動や呼吸とも関係しますが、ろう者と聴者それぞれが持つ固有のリズムはどのようにして生まれるのでしょうか?
第1回目は、皆さんの感覚をもとに、ざっくばらんに意見交換をしていきます。
サロンといっても堅苦しいイメージではなく、自由に出入りできるような空間にしていきたいと思います。
皆さんのご参加をぜひお待ちしております。
なお、第2回は8月31日を予定しており、詳細・参加者募集については別途告知いたします。
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日時:2023年6月22日(木)19:00~21:00
ファシリテーター:雫境、牧原依里、松﨑丈、西脇将伍
参加:無料
対象:ろう者・聴者問わず、高校生以上の方
会場:東京芸術劇場ミーティングルーム7(6階)
定員:10名(応募多数の場合は、ろう・難聴者の方を優先させていただく場合、締切を早める場合がございます。)
※ 6月12日追記
申し込み多数のため、締め切りました。ぜひ次回にご参加ください。お待ちしております。
申込:申込フォーム https://forms.gle/GV622oK8GSuAtRL89 にて, 6/19(月)までにお申込みください。
実施日3日前を目途に担当者よりご連絡いたします。
お問合せ:一般社団法人エル・システマジャパン
E-mail: info@elsistemajapan.org
Fax: 03-6811-7078
Tel: 03-6811-7077
主催:一般社団法人エル・システマジャパン/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
協賛:キッコーマン株式会社/トヨタ自動車株式会社
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