10月15日(土)、16日(日)の夕方、
沖縄県読谷村にある海のテラスよみたん都屋におよそ各回20人の子どもたちが集まり、
保護者の皆さんが見守る中、「エル・システマ作曲教室」が行われました。
これまで、相馬や東京で行われてきた作曲教室は、2019年以来、3年ぶりの開催。
講師は、この作曲教室の開始以来監修をしてくださっている作曲家・藤倉大さんと
日本を代表するホルン奏者・福川伸陽さん。
この作曲教室で決めているルールは2つ。
一つは作品の良しあしを判断しないこと、もう一つは、作曲することを一切強制しないこと。
「気分が乗らなかったら、外のプールに出て遊んでもいいですよ。」と代表の菊川も、強調させて頂きました。
まずは、楽譜を書く前に、福川さんと藤倉さんから、約45分のレクチャーを実施。
福川さんがホルンの楽器の音の出る仕組みを参加している子どもたちに詳しく説明。
多くは、ホルンを初めて間近に見る子ども達。
藤倉さんはロンドンからZoomでのリモート参加。
会場の大きなスクリーンに映る藤倉さんが「ホルンはこんな音も出せるよね!」と話すと、
福川さんが「じゃあ出してみましょう!」と様々な奏法を披露して、
実際に楽譜を見ながら、どのような記号を使っているかも解説してくれました。
実際に、藤倉さん福川さんのために作曲された曲や、フランスの作曲家・メシアンの楽譜を子どもたちと見ながら、福川さんが演奏してくれます。
ハーフバルブという特別な奏法で全編演奏する、藤倉さん作曲の「Yura Yuraゆらゆら」という曲、
ワーワーミュートを使った作品、「PoyoPoyo ぽよぽよ」という曲も演奏してくれました。
また、作曲に必要な知識として、ホルンの音域を説明してくれたり、
現代作曲家・高橋悠治さんの「言葉を朗読しながらホルンを吹く」指定のある楽譜も見せて、吹いてくれました。
その他、歌いながら吹く奏法や、水をわざと入れて吹くとどんな音になるか、も披露してくれました。
レクチャーのあとは、いよいよ作曲です。制作時間は30分間。
「こんなに早く書けちゃうなんてすごいすごい」と、藤倉さんは、
スマホを通して映し出された作曲途中のみんなの楽譜を見ながら、感心されていました。
福川さんは子どもたちのリクエストに応えて、時折、
「この音はこうしてだすよ」と実演しながらテーブルを回っています。
子どもたちの作品が出来上がり、「作品を福川さんに演奏してもらいたい人!」と伝えると、
次々に手が上がりました。
子どもたちの楽譜には福川さんへのリクエストがたくさん書いてあります。
「トレモロ」や「グリッサンド」奏法をたくさん使った超絶技巧曲、
「バルブに水を入れて音を出す」奏法の指定も、何人もいました。
楽譜の表面だけでなく、裏面にも音符が書いてあって、
「もよもよした音で」や「動物が暴れている音」といった指定も。
時折、絵も描いてある子どもたちの想像力がいっぱいにつまった譜面に福川さんは真摯に向き合って、
その場で初見で!素晴らしい音にしてくださいました。
この世に一つしかない譜面の世界初演を次々行い、
「どうだった?こんなかんじかな?」と福川さんが、作者の子どもに訊ねると、
「完璧でした!」と明るく答えてくれる子ども、うんとうなずいて、嬉しそうに席に戻る子ども、
とリアクションは様々ですが、みんな満足そうな様子がうかがえました。
最後に、福川さんと藤倉さんからみなさんにメッセージが送られました。
「すごい面白いものが出て来て僕はめちゃくちゃうれしいです。
これを機会に目も耳も開いてくれるといいなと思います。」と福川さん。
「こんな短時間に曲が欠けて、うらやましいなと思いました。ぼくもがんばらなきゃなと。
これを機会に皆さんもおかしな曲をこれからも作ってください!」と藤倉さん。
子どもや保護者からの感想は、また次回の報告で共有させて頂きます。
監修・講師の作曲家・藤倉大さん、ホルン奏者の福川伸陽さん、参加してくださった子どもの皆さん、
ありがとうございました。
エル・システマジャパンのユニークな作曲教室。また開催できるといいなと願っています。
何より、今回の沖縄での開催にあたり、多大な協力と調整に貢献頂いた共催のCoArの落合さん、
またボランティアで関わってくださった皆さまにも、心より感謝申し上げます。
そして、本活動は、全て個人や企業からのご寄付で実現可能となっております。
特に、今回、沖縄で初めてとなる作曲教室開催のためにと大きなご寄付を下さった、
株式会社ミオアンドカンパニーさん、株式会社メディアネットワークスさんには、深くお礼を申し上げます。
作曲教室も選択頂けるエル・システマジャパンのreadyforマンスリーサポートプログラムはこちらから。
どうぞよろしくお願い致します!
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