コロナ禍で様々な動きが止まっていましたが、相馬子どもオーケストラは、新しい指揮者の先生をお迎えすることができました。イタリアを中心に欧州で研鑽を積まれ、2018年にポルトガルで開催されたBMW国際指揮コンクールにて日本人初の優勝という快挙を成し遂げられた木許裕介先生。
エル・システマジャパンに関わる様々な人を通して繋がることができ、グローバルなムーブメントとしてのエル・システマ、そして日本で最初となる相馬での活動に深く関心を寄せて頂いていることから、今回のご縁となりました。
2013年に中村第一小学校器楽部メンバーとOGを母体に始まった相馬子どもオーケストラ。地元の須藤先生による弦楽器指導、13年4月〜18年3月は浅岡洋平先生、18年12月〜20年2月は河合尚一先生による指揮指導の元、国内外で数多くの経験を積むことができました。
活動が始まった当初はまだ小学5年生だった初心者も、今や高校3年生となり、本番は実現していませんが、ベートーヴェンの第九交響曲を全楽章チャレンジできるほどになりました。その次に続く、中高生も経験を積んで頼もしくなってきていますが、やはり子どもオーケストラとしての未来は、昨年、一昨年に楽器を手にした小学生達が、今後どのように成長していけるかにかかっています。
こういった視点から、初心者の子ども達が、何より仲間との合奏を楽しくでき、音楽の喜びを感じられるようにして行きたい、という須藤先生や、相馬の関係者の思いに、とても共感して頂いたのが木許先生。ご自身も、国内外の様々なユースオーケストラやジュニアオーケストラで、初心者から経験者まで多くの人々に合奏の喜びを伝えてきておられるので、相馬の場で実践されているコミュニティ活動としてのオーケストラと、そこに参加する子どもたちのピュアな気持ちに感動下さったようです。