世界子ども音楽祭に参加予定のニュージーランドから、元気が出る動画が届きました。
ニュージーランドでも、先週より1ヶ月にわたり全国規模での自主隔離期間に入り、不要不急の商業活動の停止や学校が閉鎖という措置が取られています。 これは、その少し前に開催されたコンサートの様子です。 このコンサートは、昨年3月15日にニュージーランドのクライストチャーチで起こった銃乱射事件の追悼の気持ちを込めて、またベートーヴェンの生誕250年を記念して開催されたものです。
人種や年齢、プロ・アマを問わず全国から集まった200人のオーケストラと150人のコーラスが、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」や第9番の抜粋を演奏しました。
もちろん、今度来日する”Sistema Aotearoa”の子どもたちも出演しています。
日本語字幕に代えて、冒頭のスピーチの一部をご紹介いたします。
「私たちは、ベートーヴェンの最も心に響く音楽を演奏するため、このタウンホールに集まっています。
これは時を経ても普遍であり、生き続ける音楽です。
ベートーヴェンは、誰もが楽しむことができる音楽を、また国境を超え、海を越え、我々みなを結びつける音楽を生み出しました。
どんな言語を話そうと、どんな国から来ようと、どういう信条だろうと、音楽は普遍的な言葉であり、皆を一つにする力があります。私たちはみな、この音楽への愛と、音楽がもたらす喜びと希望によって繋がっているのです。」 通常のコンサートとは響きも配置も異なり、演奏技術も様々な奏者による大編成で、音楽的に「完璧な演奏」ではないかもしれません。それにもかかわらず心を動かされるのは、ベートーヴェンが願った人類愛や平和、希望といった普遍的な価値を、彼らの演奏から感じ取ることができるからではないでしょうか。