去る9月14〜16日に東京芸術劇場にてサラダ音楽祭が開催され、こちらで作曲教室のワークショップが行われました。 この作曲教室は、おなじみ藤倉大さんが監修されるボンクリ・フェス2019の出張版として行われ、エル・システマジャパンも制作協力という形で参加させていただきました。
今回は14日と15日に行われた作曲教室のレポートをお送りします。
14日は作曲家の蒲池愛先生、笙の東野珠実先生 15日は作曲家の蒲池愛先生、三味線の本條秀慈郎先生 にご登壇いただきました。
14日は、東野先生から雅楽の記譜法をまず習いました。
・歌の音程を波形のような線で表せること ・笙の和音を乙や美といった漢字で表せること ・雅楽の中では、笙などの楽器の演奏は「付け物」と呼ばれ、あくまで歌がメインであること などを教えていただき、それから雅楽の譜面の書き方を真似したり、自分が知っている五線譜の書き方で書いたりして作品を作りました。 作曲した曲はさまざまで、笙のためだけに書かれた作品もあり、自分が歌って笙に伴奏してもらう作品もあり、バラエティー豊かな作品ができあがる教室となりました。
作曲した曲はその場で演奏していただきました
(FESJ/2019/Toru Amijima)
15日は、本條先生にまず、藤倉さんの「neo(音緒)」という作品の一部を弾いていただき、その作品に使われている奏法を中心にさまざまな奏法を教えていただきました。「すくいばち」や「うらはじき」といった教えていただいたさまざまな奏法を駆使した曲ができあがり、とても楽しい教室となりました。
14・15日はいずれも和楽器の教室となりましたが、歴史的に和楽器と私たちの生活が非常に密接に関係してきたということが感じられる教室でした。
「テンポはどれくらい?」「ここは強く?」
本條先生と話しながらイメージを近づけていきます。
(FESJ/2019/Toru Amijima)
たとえば… ・「打ち合わせ」という言葉は、大阪・京都・奈良の雅楽の合奏団が集まって、それぞれの音を合わせることが語源となっている ・三味線の開放弦の音は低い方から「ドン・トン・テン」というが、みんなで合わせて一番低い弦を鳴らす時のかけ声は、今の運動会でもおなじみの「ヨーイ、ドン」である といった具合です。子どもを見守る大人にとっても、目からうろこが落ちる、学びの充実した教室でした。
蒲池先生、東野先生、本條先生、楽しい時間をありがとうございました。
東野先生、本條先生は、9/28(土)に東京芸術劇場にて開催される、ボンクリ・フェス2019にも出演されます。 みなさま、東野先生、本條先生が楽しい作品を演奏されるボンクリ・フェス2019にも、ぜひ足をお運びください。 https://www.geigeki.jp/performance/concert184/