今年3月の第4回相馬子ども音楽祭も誰もが素晴らしい演奏を見せ、大成功に終わりました。しかしオーケストラのメンバーにとっては、5年間オーケストラを育てて下さった指揮者の浅岡先生とのラストステージでもありました。終演後、達成感もありながら涙を流す子も多く、漠然と不安な気持ちを抱えている子どももいたと思います。子どもたちを全力でサポートしなければと思う反面、どうすれば一人残らず全員で前に進んでいけるのか、私も考えがまとまらない日々でした。
そこでアクションを起こしたのは高校生のメンバーたちでした。翌週には、これからは自分たちが主体となってどのように練習を進めていけるのか、運営面で関われることはないかなど子どもたちによる話し合いが持たれたとのことです。私はこれを聞いた時、このオーケストラは大人が思う以上に成長している、きっと大丈夫、これまで以上に素晴らしいオーケストラになれると確信しました。答えは子どもたちが教えてくれました。
最近相馬では、多くの先生方の協力のもとパート練習や色々なレベルの子どもが一緒に合奏する機会を増やし、みんなの力で上達する方法を模索しています。子どもの力を信じ、時には借り、一緒にこれからの相馬子どもオーケストラを作っていきたいと思います。 渡辺更(相馬事業担当)