南カリフォルニア大学の最新の研究によると、音楽教育は子どもの頭脳形成や決断力の強化に有効だそうです。
2012年にスタートしたこの研究は、エル・システマ式の音楽教育を取り入れているロサンゼルス・ユース・オーケストラ(YOLA)の子どもたちを対象に、音楽と子どもの成長の関連性に焦点を当てています。YOLAと言えば、あのグスターボ・ドゥダメルさんが音楽監督を務めるオーケストラで、貧困地域の子どもたちも多く参加しています。2年半前には、「相馬子どもオーケストラ&コーラス」の子どもたちもサントリーホールで共演させていただきました。
さて、予備調査では、音楽教育を受けている子どもたちの聴覚伝導路がより早く発達することが伝えられましたが、今回は脳の白質(シグナルを脳に伝導する部分)と石灰質(情報処理を行う神経細胞が多く存在する部分)にわずか2年の音楽教育でも好影響があり、脳内ネットワークの活性化にも繋がるという研究結果が発表されました。
人間の行動における音楽教育の有益性については、長きにわたり推論されてきました。しかし、この南カリフォルニア大学の研究により、音楽教育を受けた子どもたちは聴覚をつかさどる右脳の皮質分野が厚くなり、加えて右脳と左脳のコミュニケーションが強化されることが証明されたそうです。脳が筋肉であるとすれば、楽譜を読んだり楽器を演奏したりすることは、脳にとって究極のエクササイズというわけです。
「長期的な変化を追った結果、音楽教育を受けていない同じ年頃の子どもたちとの脳の違いが明らかになった。音楽教育は子どもたちの情緒や知能の発達に貢献できる有効なツールだ」と研究者グループは見解を述べています。
http://news.usc.edu/131274/music-training-can-change-childrens-brain-structure-and-boost-decision-making-network/