ベネズエラから無事、大槌に戻ってきた山本から、ベネズエラ報告 第5弾が届きました。
今回は、オーケストラ・セミナーに参加した世界のエル・システマの仲間紹介です。集合写真の真ん中にいるのは、今回訪れたアカリグア支部のディレクターVictoria Sanchezさん。ベネズエラでもまだ珍しい女性ニュークレオ(支部)ディレクターです。
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今回は、一緒にベネズエラ国外から参加した仲間たちの紹介です。セミナーに参加してみての感想、エル・システマの印象を聞いてみました。
Mr. Michael Repper(米国・指揮)http://www.mikerepper.com:
ボルチモア交響楽団指揮者フェロー/ピーボディ音楽院招聘指揮者(ボルチモア交響楽団は、LAフィル同様、ボルチモアでエル・システマ式プログラムを展開しています)
「米国と本国ベネズエラのエル・システマ、それぞれの音楽教育が目指すものの違いが印象的でした。米国の音楽教育は、プロの音楽家を養成することがゴールであるのに対して、ベネズエラではその先に人づくり、コミュニティづくり、国づくりがあるという違いを感じます。子どもたちにプロを目指さなければならないというプレッシャーはなく、音楽が他者への敬意、協調性など素晴らしい人間としての要素を身につける手段(vehicle)として機能していると思います。」
Ms. Eriel Huang(南アフリカ共和国・バイオリン)http://necmusic.edu/eriel-huang:
フリーランスのバイオリニスト兼講師/ニューイングランド音楽院システマ・フェロー5期生
「今回ベネズエラを再訪し、改めてエル・システマに携わる人々の音楽に懸ける情熱と音楽を奏でる喜びを感じ、原点に立ち返る経験でした。皆が、子どもたちのために最善を尽くすという目的を共有し、一丸となっているのがエル・システマの特徴だと思います。」
Ms. Nicole McDonald(カナダ・チェロ):
カナダ東部ニュー・ブルンズウィックのエル・システマ関連プログラム「システマNB (http://sistemanb.ca/) 」ティーチング・アーティスト
「ベネズエラの音楽家たちから醸し出される情熱と音楽を奏でる喜びに心打たれ、そのエネルギーと愛に圧倒されました。」
Ms. Liz Ramirez(米国・クラリネット):
ニューヨーク・クイーンズ地区のエル・システマ関連プログラム「コロナ・ユース・プロジェクト (http://www.nucleocorona.org/Corona_Youth_Music_Project/)」プロジェクト・コーディネーター兼ティーチング・アーティスト
「ベネズエラ国立児童交響楽団(Orquesta Sinfonica Nacional Infantil de Venezuela)の演奏を聴く、他の子どもたちの様子が印象的でした。彼らに敬意、憧れを抱き、自分たちがいつかそこで演奏している姿を想像しているキラキラした目。嫉妬というような感情はなく、彼らの素晴らしい演奏を素直に賞賛する謙虚さがあります。その根底には、音楽に対する真摯な関心があるのだと思います。」
次回は、そのベネズエラ国立児童交響楽団のコンサートの様子をお伝えします!