大槌の弦楽器指導担当の山本から、ベネズエラ現地レポートが届きました。4回目は練習内容のご紹介です!
今回のオーケストラ・セミナーでは、2週間でドボルザーク交響曲第9番全楽章を始めとする全5曲を完成させ、最終日26日のコンサートで発表するというかなりインテンシブなプログラムです。
練習は毎日9時から夕方6時までです。全体練習(エンサージョ)、管・弦に分かれての練習(セクショナル)、楽器ごとの練習(タイェール)、個人レッスン(インディヴィジュアル)で構成されています。天気のいい時には写真のように屋外で練習します。関係者の方は時差ボケで眠そうな山本に「エル・システマは休みなしだよ、ひたすら練習あるのみさ!」と言っていました。
また、アメリカからの指導参加者の一人が「ベネズエラ人の音楽への愛に圧倒されているよ!朝から晩まで練習して、更に夜も音楽を奏でるなんて。自分の国では、音楽を専攻している学生でさえ練習もそこそこに残りはテレビを見ているというのに。」と言っていました。それくらい音楽が生活に溶け込んでいるのが感じられます。
子どもたちには、自分から音楽に向かおうという意欲があり、当然ながら中には高いレベルに到達する子どももいます。写真の男の子は、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いていました。月に2回、近くの町でレッスンを受けているとのことです。
山本が担当しているのは、楽器を始めて大体1年半から3年の子どもたちです。
始めて数年の子たちが、どうやって交響曲の演奏に参加するのかという疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。彼らは、やはり複雑な部分の演奏には苦労していますが、テーマなど要所には参加しています。
演奏に入り、その曲のエネルギーの移り変わりを体感するということが重要視されているように思います。オーケストラの中でのそのような体験を通して、彼らの中に常にもっと上手くなりたい、もっと曲についていきたいという向上心が保たれるのです。
次回は、参加者の皆さんを紹介します!個性的な仲間たちが集まってきています。