山本からのベネズエラ報告 第2弾です!
地方都市アカリグアに到着した日には、歓迎のコンサートが行われました。地域にある3つのヌークレオから、オーケストラ約250名、コーラス約450名の他、クアトロ、ホワイトハンドコーラス(聴覚障害児が白い手袋をはめて手話でする合唱)、ハンドベルなどを合わせると総勢約850名が集いました。
2時間にわたるコンサートは、ベネズエラ国歌に始まり、ベートーベン第9、ヘンデルのハレルヤ、ベネズエラでは誰もが知っている大衆歌「VENEZUELA」などなど、古今東西の曲を多様に織り交ぜた大充実の内容でした。
オーケストラ演奏が素晴らしいのは勿論でしたが、その他で特に印象に残ったのは、まずはプロ並みの腕をもつ男の子たちによるマリンバの演奏。卓越していた演奏だけでなく、演奏後の誇らしげな笑顔が印象的でした。
また、5歳の子による堂々たるマラカス演奏。表情は真剣そのものに、足で小刻みにリズムをとっていて、大物の風格が漂っています。見ているこちらに気づいた時だけ、にやっと笑いながら「どうだ!」と言わんばかりにマラカスの手を早めるのがたまらなく魅力的です。
そして、心の底から幸せそうに演奏しているハンドベル奏者の表情です。一つひとつの音に魂を込めていること、仲間とともに演奏し、その一部を担うこと、そして音楽を奏でることそのものに誇りと喜びを感じていることが伝わってきました。
コンサート中に最も感銘を受けたのは、「誰でも、どのような形でも音楽に参加する」ことが一貫されていることです。ロベルトさんは繰り返しエル・システマの特徴として、「誰にでもオープンである」ことを強調されていましたが、それがまさに体現されていました。
年齢、障碍の有無を問わず、誰もが音楽を奏でることに”Take part”することに喜び、誇りに溢れていることが、コンサートの始めから終わりまでひしひしと感じられました。
初日にして既に、エル・システマの真髄に触れた気がします。次回は、初回リハーサルの様子につきましてお伝えします!