音楽を通しての地域づくりというエル・システマの理想に向け、大槌では4月からは子ども教室の後に、大人対象の教室がスタートしました!
今日いらしたのは85歳の男性ひとり。この方のお話がとても感慨深いものでした。
ずっとバイオリンを弾きたくて、当時、釜石にあった楽器屋さんにバイオリンを入荷するようにお願いし、ようやく習い始めたばかりの約65年前。残念ながら、結核のため医者に止められ、泣く泣くやめられたそうです。
再開してもいいと言われたのは、平成に入ってから。先日、岩手日報でのエル・システマの記事で、教室が「戦場」のようと書かれていたのを見て、自分にも手伝えたらと記者の方を通じて、大槌のスタッフ 山本まで連絡くださいました。
東日本大震災の津波でご自宅は1階に浸水する被害を受けましたが、2階に置いていた楽器は無事でした。今日は、その大切な楽器を持参して教室にお越しいただきました。
時を越えてバイオリンを弾きたいという一途な思いをずっと抱かれていたことに、胸を打たれました。
こうして地域の方々とつながっていける機会が生まれ、大人の教室が始められてよかったと思います。