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​作曲教室in沖縄2022

2022年10月15日、16日

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「エル・システマ作曲教室 in 沖縄」イベントレポート

2022年10月15日(土)、16日(日)の夕方、沖縄県読谷村にある海のテラスよみたん都屋に,およそ各回20人の子どもたちが集まり、保護者の皆さんが見守る中、「エル・システマ作曲教室」が行われました。

 

これまで、相馬や東京で行われてきた作曲教室は、2018年以来、4年ぶりの開催。講師は、この作曲教室の開始以来監修をしてくださっている作曲家・藤倉大さんと日本を代表するホルン奏者・福川伸陽さん。

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この作曲教室で決めているルールは2つ。

一つは作品の良しあしを判断しないこと、もう一つは、作曲することを一切強制しないこと。

「気分が乗らなかったら、外のプールに出て遊んでもいいですよ。」と代表の菊川も初めのご挨拶でお話ししました。


まずは、楽譜を書く前に、福川さんと藤倉さんから、約45分のレクチャーを実施。

福川さんがホルンの楽器の音の出る仕組みを参加している子どもたちに詳しく説明。

多くは、ホルンを初めて間近に見る子ども達。

藤倉さんはロンドンからZoomでのリモート参加。

会場の大きなスクリーンに映る藤倉さんが「ホルンはこんな音も出せるよね!」と話すと、

福川さんが「じゃあ出してみましょう!」と様々な奏法を披露して、

実際に楽譜を見ながら、どのような記号を使っているかも解説してくれました。

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実際に、藤倉さん福川さんのために作曲された曲や、フランスの作曲家・メシアンの楽譜を子どもたちと見ながら、福川さんが演奏してくれます。

ハーフバルブという特別な奏法で全編演奏する、藤倉さん作曲の「Yura Yuraゆらゆら」という曲、

ワーワーミュートを使った作品、「PoyoPoyo ぽよぽよ」という曲も演奏してくれました。


また、作曲に必要な知識として、ホルンの音域を説明してくれたり、

現代作曲家・高橋悠治さんの「言葉を朗読しながらホルンを吹く」指定のある楽譜も見せて、吹いてくれました。

その他、歌いながら吹く奏法や、水をわざと入れて吹くとどんな音になるか、も披露してくれました。


レクチャーのあとは、いよいよ作曲です。制作時間は30分間。

「こんなに早く書けちゃうなんてすごいすごい」と、藤倉さんは、

スマホを通して映し出された作曲途中のみんなの楽譜を見ながら、感心されていました。

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福川さんは子どもたちのリクエストに応えて、時折、

「この音はこうしてだすよ」と実演しながらテーブルを回っています。

子どもたちの作品が出来上がり、「作品を福川さんに演奏してもらいたい人!」と伝えると、

次々に手が上がりました。


子どもたちの楽譜には福川さんへのリクエストがたくさん書いてあります。

「トレモロ」や「グリッサンド」奏法をたくさん使った超絶技巧曲、

「バルブに水を入れて音を出す」奏法の指定も、何人もいました。


楽譜の表面だけでなく、裏面にも音符が書いてあって、

「もよもよした音で」や「動物が暴れている音」といった指定も。

時折、絵も描いてある子どもたちの想像力がいっぱいにつまった譜面に福川さんは真摯に向き合って、

その場で初見で!素晴らしい音にしてくださいました。

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この世に一つしかない譜面の世界初演を次々行い、

「どうだった?こんなかんじかな?」と福川さんが、作者の子どもに訊ねると、

「完璧でした!」と明るく答えてくれる子ども、うんとうなずいて、嬉しそうに席に戻る子ども、

とリアクションは様々ですが、みんな満足そうな様子がうかがえました。


最後に、福川さんと藤倉さんからみなさんにメッセージが送られました。

「すごい面白いものが出て来て僕はめちゃくちゃうれしいです。

これを機会に目も耳も開いてくれるといいなと思います。」と福川さん。

「こんな短時間に曲が欠けて、うらやましいなと思いました。ぼくもがんばらなきゃなと。

これを機会に皆さんもおかしな曲をこれからも作ってください!」と藤倉さん。


監修・講師の作曲家・藤倉大さん、ホルン奏者の福川伸陽さん、ユニークで素晴らしい教室をありがとうございました。ご参加くださった子ども達、見守って下さった保護者の皆さんにも心から感謝しています。

  【参加した子どもたち・保護者の方からのアンケートより】

  「とてもおもしろくて楽しい音が出来てとても楽しかったです。新しい音がわかってよかった。」(小学生)

  「へんなおとをつくってみたらとても楽しかった。」(小学生)

  「じぶんでおもったよりいいきょくになった。」(小学生)

  「私も吹奏楽部でホルンを演奏しているので、先生みたいに吹けるようになりたいです。私が作曲した曲を

   一生懸命吹いていただいて、めったにない経験が出来たので、すごく良い思い出になりました。」(中学生)

  「トランペットをやっているのですが、普段やっているような音ではなく、どれも面白くて、まるで楽器

   じゃないみたいでした。」(中学生)

  「子どもが書いたものを実際に音で表現してもらい、子どもの頭にあるものを体感でき、とても興味深かった。

   一生の思い出になりました。」(小学生保護者)


エル・システマジャパンのユニークな作曲教室。2023年度も各地での開催が決まっています。

各地の子どもたちのクリエイティブな音楽に会えることを楽しみにしています。

今回の沖縄での開催にあたり、多大な協力と調整に貢献頂いた共催のCoArの落合さん、

またボランティアで関わってくださった皆さま、また、協賛いただきました株式会社ミオアンドカンパニーさん、株式会社メディアネットワークスさんに心より感謝申し上げます。

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「エル・システマ作曲教室~変な音を作ってみよう」実施概要

日時 :2022年10月15日(土)、16日(日) 両日とも17:00~19:00
場所 :海のテラスよみたん都屋 1階 多目的ホール
    (沖縄県読谷村字都屋20)
参加費 :無料

参加: 15日 21人 16日 24人 (4才~15才)

主催:一般社団法人 エル・システマジャパン、一般社団法人 CoAr(コア)
後援:読谷村、読谷村教育委員会
協賛:株式会社ミオアンドカンパニー

   株式会社メディアネットワークス

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こちらの作曲教室の様子が地元メディアの「FMよみたん」で取材されました。

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